2017年7月4日更新
ナプキンで体内に毒が蓄積!?デマや嘘が絶えない経皮毒とは?
経皮毒とは呼び方の通り、皮膚から体内に侵入してくる有害化学物質のことを指します。実は普段何気なく使用しているナプキンやシャンプー、ヘアカラー、そして化粧品などにも起こるという噂も。デマか嘘か定かではない事柄ですので、日々の安全な生活を確保するために実態について迫っていきます。
経皮毒とは?
まず経皮毒とは、有害化学物質が含まれるものを使用した際に、私たちの皮膚を通過して侵入してくることを指します。これだけを聞けば恐怖感や不安感を十分過ぎるほど煽られますよね。そんな経皮毒になる原因となるものは、普段何気なく使用しているシャンプーやナプキン、化粧品、ヘアカラーなどにも潜んでいるとの情報があるため、なかなか商品を試せないという方もいるほど。
外部から入る経路は3つ
そもそも私たちが日常生活を送る中で、外部から体内に侵入可能な経路は3つあります。1つ目は口から物を摂取して取り込む「経口吸収」、2つ目は息を吸う動作で呼吸を取り込む「経気道吸収」、そして3つ目に皮膚から取り込む「経皮吸収」とがあります。
経皮毒が敵視される理由
有害化学物質が皮膚を通して体内に侵入してくる時点で良いことではないことは予想が付くでしょう。ではなぜ、こんなにも経皮毒が敵視されているのかと言うと、答えは「経皮で吸収されたものは中々外部に出ていかない」からです。一旦体内に吸収してしまうと排出されにくく、それが有害化学物質であるからこそ、恐怖感を感じられているのです。
また、皮膚に吸収された物質は10日ほど経過してもたった10%程度しか排出が叶いません。口から吸収した場合では、消化器官などを通して排出することができますが、皮膚からの経皮吸収では消化器官のように分解、そして消化する器官を通ることはないため、皮下脂肪に蓄積したり、血液の流れに乗って子宮や脳にまで溜まっていくというから驚きです。
経皮毒の恐怖
経皮毒が恐れられている理由にはまだまだ原因が挙げられます。化学物質は生活を送る上で便利性を高め、暮らしを豊かにするものでもありますが、裏の背景にはこういった「目に見えない」恐怖が潜んでいることもあるのです。
経皮毒は子供へ影響
経皮毒の恐ろしいところは、女性にとって大切な子宮に溜まりやすい点が挙げられます。女性は将来的に子供を産む方が多いですから、妊娠した際に子供にまで影響が及ぶ恐れがあるのです。もともと経皮毒は子宮に蓄積されやすいため、妊娠中は母親の羊水や胎盤を通過してお腹の中にいる子供に伝っていくと考えられています。
昔の子供と現在の子供を比較した際に、アレルギー持ちだったり、免疫力の低下、そして集中力の維持が困難な子供が増えている背景には経皮毒が原因になっているのではないかと考える専門家も存在します。
なぜ日用品で経皮毒になるの?
便利性が高いにも関わらず、なぜ私たちが使用している日用品に危険性が騒がれているのでしょうか?これには理由があり、日用品に使われている化学物質の分子量が小さいことにあります。通常、皮膚の構成は3層からできており、上から表皮、真皮、皮下組織という構造になっているのですが、一番上に存在する表皮の内部はさらに細かくすると5層の角質層に分類することができます。
この角質層は分子量が500以上で生息しているウイルスや微生物などの分子を通過させないようにしています。自然界で存在するものは角質層を通過することはまずできないとされていますが、現在、日常的に使用している物は界面活性剤などの化学物質を使用しており、シャンプーや化粧品、ヘアカラーなどの物質は小さい分子で且つ、集合体で構成されているため、皮膚を通過して侵入してきてしまうのです。
日用品で経皮毒の危険性があるもの
日用品と一口に言っても、その数は様々で頻繁に使う方やそこまで多く使わないという方もいるでしょう。しかし、日常生活を送る上で使用しているものの中には、納得できてしまうほどの危険性のある理由が存在しています。
シャンプーやヘアカラーによる経皮毒
日用品として使う頻度の高いシャンプーは、洗浄力をアップさせるために「界面活性剤」という化学物質が配合されている商品がほとんどです。頭皮は腕などと比較すると、約3.5倍も経皮吸収率が高いため、他の身体の部分よりも吸収率は格段に上がります。さらに、脂溶性でできている物質を吸収してしまうと、脂肪で構成されている脳に通り、蓄積されていくのです。
また、ヘアカラーもシャンプー同様に頭皮に使用するものですので、吸収率は高く、髪に変色をもたらすカラー剤が頭皮に浸透することでカラー剤を脳が吸収されると言われています。長期的にカラー剤を使用していると、頭がい骨にまで色が付着するとも言われているため、頭皮に及ぼす影響は大きいものだと言えるでしょう。
ナプキンや化粧品、ネイルの経皮毒にも注意
意外ですが、ナプキンにも経皮毒が起きる危険が潜んでいます。ナプキンは塩素漂白剤と高分子ポリマーが含まれており、性器からの吸収は腕と比較するとなんと42倍にまで及ぶと言われています。塩素漂白剤はナプキンを清潔に保つために使われますが、ダイオキシンの原因ともなる化学物質ですので、子宮の病気に関係する有害化学物質だと言われています。
他にも、女性が使用する化粧品の中に含まれる化学物質はもちろんのこと、ジェルネイルをオフする際に使用する危険物質「アセトン」が含まれるネイルなどにも経皮毒の原因になると考えられています。
経皮毒はデマ?嘘?
これだけ恐ろしい情報が出回る経皮毒についてですが、賛否両論ある様子で、肯定する人もいれば全くの嘘だとデマ扱いしている声もあります。では実際の真相についてはどうなのか‥早速見ていきましょう。
経皮毒の科学的根拠はない
経皮毒の恐れられる情報には賛否両論あるとされていますが、どちらの意見もあるということは科学的根拠はないということです。上記で経皮毒の恐怖を散々挟みましたが、そもそも、人の皮膚にはいくら分子量の小さい物質であろうと、「浸透膜」という組織がある限り、皮膚に侵入する物質を選べる立場にあります。
さらに、現在販売が許可されているものは100%摂取しても分解、吸収できるもののみしか使用が許可されていません。それほどまでにも、人の皮膚が持つ性能は高く、外部からの侵入にもバリアが張られている状態です。有害と認識されている紫外線なども跳ね返す力を本来人の皮膚は持っていますから、日用品として使用されているものの中に含まれる化学物質では体内に蓄積されるとは考えにくいとされています。
ではなぜ経皮毒の恐怖が広まったのか
疑問に残るのはなぜ未だに経皮毒の恐怖に怯えている方がいるかという点です。経皮毒という言葉が世に回り出したその理由には、マルチ商法の売人が客に商品を販売しやすくするためです。安価で購入でき、且つ便利な日用品は高い金額で物を売る商売人たちにとっては邪魔な存在でしかありません。
そんな時に、「有害化学物質が体内に蓄積する」と言われれば、理系を知らない一般人の方にとってはそれだけで恐怖を植え付けられるのです。そんな弱味に漬け込み、体内に蓄積する物質を使用していないことを謳った高額な商品を次々と売りつけていくという訳です。
しかし、こういったマルチ商法の業者は2008年に経済産業省によって業務停止処分を受けています。客の心を言葉巧みに操り、騙していたことで、経皮毒の存在は独り歩きし、恐怖の存在になった裏事情がありました。
経皮毒を見極める
何も知らない方たちにとって、有害化学物質が体内に蓄積させる様子は恐怖を感じる対象でしかありません。そんな人々の足元をすくい、上手く立ち回りながら商売をする方法があったからこそ、ここまで経皮毒の情報が広まっていったと言えます。普段使っている日用品に含まれる物質は水ではないため何らかの成分が含まれていることは事実ですが、様々な情報に惑わされずに、的確な目線で自分が選ぶものを見極めていきたいですね。
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