2017年3月3日更新
フラーレンの用途と効果は?歴史が浅いけれど毒性はあるの?
ここ10年ほどで高い注目を集めているフラーレン。高い抗酸化性をもち、化粧品に使用することでさまざまな肌トラブルを解決してくれる、炭素のみで形成された分子です。フラーレンの用途や優れた美容効果、そして気になる毒性についてご紹介します。
フラーレンの性質
フラーレンという物質が発見されたのは1985年。炭素のみの原子60個で構造されていて、「バックミンスター・フラー」が考案したドーム型の建築物に似ていることから、フラーレンと呼ばれるようになりました。
美肌や老化防止などの優れた効果があることから、2005年に化粧品の原料として使用されるようになり、近年急激に注目を集めています。
高い抗酸化性
抗酸化力の強さでいえば、ビタミンCが代表的ですよね。フラーレンは、その172倍とすさまじく高い抗酸化力を持っているのです。その抗酸化力は、紫外線によって発生する活性酸素に対して、より強く発揮されることがわかっています。
さらに、フラーレンの抗酸化力は非常に強い持続力があります。フラーレンを添加した細胞に紫外線を当てるという実験をしたところ、およそ20時間が経過しても、細胞の生存率が高い状態であることが確認されています。フラーレンの技術や登録商標は「ビタミンC60バイオリサーチ株式会社」のものです。
フラーレンの用途・使い方
では、その優れた美容効果をもつフラーレンは、何に使用されているのでしょうか。
美容液・化粧水として
フラーレンは抗酸化力に優れていることのほかに、活性酸素やラジカルを消去する作用を持っています。そのため、主に美容液や化粧水として幅広く使用されています。
活性酸素を消去するということは、老化現象が進むのを抑えることにつながりますから、美肌効果や小じわの改善、さらには保湿効果にもその力を発揮するのです。
ほかにも、抗酸化作用を利用して、炎症の悪化を抑制することから、ニキビを改善したり、毛穴を引き締めるといった効果も認められています。フラーレン配合の美容液・化粧水を使用することにより肌のバリア機能を維持し、トラブルが起きにくい状態を保持してくれるのです。女性にとってこんなにうれしいことはありませんよね。
フラーレンの副作用
数多くの美容効果をもたらすフラーレンですが、それほどの優れた物質に強い副作用がないのか気になるところですよね。
1%という濃度
フラーレンが配合されている化粧品は、その濃度が1%であることが規定となっています。それ以下であれば効果は得られにくいですが、それ以上の濃度では濃すぎるのです。高ければ高いほどいいというわけではありません。1%で十分な効果を得ることができます。
フラーレンの副作用
2005年より化粧品として使用されるようになりましたが、フラーレンが原因で肌トラブルが発生したというクレーム・報告は上がっていません。
フラーレンは発見された時点で、様々な分野で活用させるべく開発された、いわば期待の新人なのです。化粧品として開発される段階で、国内外問わず複数の研究機関や大学において、多くの安全性試験が行われ、人への使用が安全であると確認された状態で市場に出回っています。
その試験の段階で、敏感肌の人をメインとしたテストを行った際、刺激を感じた人はいませんでした。発見が近年であることから、歴史の浅い物質ですので、副作用を心配される方が多いと思いますが、肌へのトラブル報告がないことや刺激を感じないということから、今現在フラーレンは安全性の高い化粧品であるということがお分かりいただけます。
フラーレンの毒性
副作用がなくとも、毒性はあるのでは?歴史が浅い分不安な方は多いでしょう。
化粧品毒性判定事典というものがあります。フラーレンは掲載なしとなっています。そもそもフラーレンというのは炭素原子のみで作られていて、炭素というのはすべての生物の構成材料で水素と酸素の次に多い物質です。
フラーレンは、構造上も安全性が高いという評価を得ています。フラーレンの安全性試験では、吸引時の発がん性や誤飲時の人体への影響といった研究もおこなわれています。
その上で異常がないと確認されているので、毒性はないものとして使用が認められています。人の皮膚に対象の物質を一定時間塗布し、刺激性やアレルギー性がないかどうかを調べるヒトパッチテストとうものがありますが、フラーレンの安全性試験でも行われており、そこでも問題がないことが確認されており、安全に関してはしっかりとした基準を得た物質として幅広く使用されています。
フラーレンの優秀性
新たに発見されたフラーレンですが、今後は化粧品以外でも医薬品など、様々な用途で使用される予定です。フラーレンを安心して使用することができるよう、その効果や副作用、しっかりとした安全性を知った上で、優れた美肌効果を深く実感してみましょう!
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