2017年3月3日更新
カルボマーとは?化粧品に含まれる成分だけど毒性や安全性は?
カルボマーとはポリマーの一つであり、正式の名をカルポキシビニルポリマーと言います。化粧品にも使用される成分ですが、実はビニールやプラスチックの材料としても使われています。そんなカルボマーには毒性はないのか、そして安全性が確立されているのかというポイントを交えてご紹介します。
カルボマーとは?
カルボマーは赤ちゃんに使用するベビーローションの中にも含まれている成分で、色は白色の粉末状でできています。アルカリ性で中和していくことで水溶性が高い高分子カルボマーは無色のジェル状に変化をします。
カルボマーの特徴
カルボマーは人の手で人工的に作った高分子化合物の一つで、水に溶ける水溶性カルボマーに種類分けされます。カルボマーは水の中に入れるとジェルになり、水分そのものを包む働きをします。このことからカルボマーは水などの液体にとろみを付け、使用する感触をアップさせる役割を担っているのです。
毒性はないの?
カルボマーについて最も気になる点は、毒性があるかどうかでしょう。カルボマーの毒性はあまり心配することはなく、微生物が発生することも稀なため、比較的安心して使用できる成分と言えます。
肌に使う化粧品をゲル化、そして皮膜成形する役割をするため、カルボマーを含んだ化粧品は知らずとも市販の商品として出回っています。また、微生物の汚染に強いことから、その高分子性が相まって皮膚に浸透しにくく、刺激も少ないため安心・安全、そして増粘剤として最も使用されている成分なのです。
なぜカルボマーが危険だと言われているのか
刺激性も少なく、微生物の繁殖もないカルボマーがなぜ危険扱いされているのでしょうか?実際に使用する側からしてみれば、少しでも危険があるものは避けていきたいものです。カルボマーが事実本当にリスクを伴うものなのか見ていきましょう。
皮膚に蓋をする説が出回ったため
カルボマーを含んだ化粧品には、たくさんの美容成分も同じように含まれています。そのため、その肌に良い効果をもたらす成分を閉じ込めようとする役割を持つのがこのカルボマーな訳なのですが、しっかりと皮膚にくっついてしまうことで肌が呼吸をできなくなり、普通であれば肌の老廃物を排出できるところ、その排出ができないために逆に肌トラブルに見舞われると考えられたことからカルボマーが悪い成分なのだと認識されている部分があります。
実際は、カルポマーは分子が大きく作られており、隙間ができていることもあるため、肌トラブルの元と考えられることはありません。しかも人間は皮膚呼吸しない生物でもありますから、カルボマーを使用したことで起きる害はないと捉えて良いでしょう。
安全性は赤ちゃんにも◎
合成化学物質と見聞きすれば自分の我が子に本当に安全できるのか心配になるところですよね。同じ肌と言っても、大人と赤ちゃんでは含まれている水分量から違います。
カルボマーはどうしても良くないイメージを抱きがちですが、実際の成分としては敏感肌な赤ちゃんにも使える刺激の少ないものですから、安心性が高いことが伺えます。
ただ、「安心」と言う言葉を聞いても不安が残る方はかかりつけ医に相談したりパッチテストを行って肌に異常が見られないか確認してから使用すると確実性が出て安心して使うことができるでしょう。
カルボマー使用の際に注意したいこと
刺激性が少なく、安心して使っていくことが確証されているカルボマーですが、使う方によっては気をつけたい点もあります。デリケートな赤ちゃんの肌に使うことのできる成分ですが、あなたの肌質によっては合わない場合が出てくるかもしれません。
敏感肌の方は注意
刺激性の少ない化粧品も多くありますが、カルボマーは肌の異常を感じ取りやすい方が使用する場合は注意が必要です。性質上、肌にピタっと張り付く特性を持っているため、老廃物を閉じ込めてしまう場合もあります。
ニキビができやすい方も
使用を注意したいタイプは敏感肌の方だけではなく、ニキビが起きやすい方も同じです。顔だけではなく、体にもできやすいタイプの方は全身の肌が敏感である場合が多いです。
体と顔の皮膚は厚みなども違いますが、カルボマーはジェル状の化粧品には必ずと言って良いほど含まれています。そのため、古い角質などを排出できずに使用頻度を高くしてしまったりするとニキビ肌の方は悪いものが排出されずに肌トラブルが悪化してしまう場合もありますので注意が必要です。
カルボマーの広がる用途
カルボマーが活躍する場面は化粧品だけではありません。扱いやすい性質上、今この成分は世の中にとってなくてはならない存在である成分なのです。
塗料や接着剤に使われることも
カルボマーはポリアクリル酸の水溶性合成化学物質でビニール樹脂の一つですが、塗料や接着剤として使われることもあります。
「ビニール」と言われると不安に感じる方もいるかもしれませんが、普段物を入れる際に使うビニール袋に含まれる成分とは化学構成が違うため心配することはありません。
ケア用品として使う化粧品などとはまた違った成分であるため、塗料などに使われているからと言って危険なものではないのです。
医薬品や食品にも含まれる
カルボマーは薬事法から見て添加物に含まれていなく、医薬品としても使用されることもあります。ドラッグストアやコンビニに売っているサプリメントの中にも「カルボマー」と表記されているものもありますので、食品としても使われていますから、口にしても害のないものはカルボマーの毒性を気にする心配はないと言えるでしょう。
カルボマーは必要不可欠
現代では質の良い商品を生み出そうとする時代のため、悪い成分を含んだ商品をメーカーが作り出すことは考えられない風習が広がってきました。一昔前では悪とされていたものが実は秘めたる力を発揮すると解明されたものもありますので、カルボマーを使用する際は安心して使ってくださいね。