2017年3月1日更新

顔や脇、手掌など局所的な多汗症を直したい！治療方法と費用まとめ

緊張した時に手汗が出たり、そこまで暑い訳でもないのにやたら汗をかいたりする人がいます。これは多汗症と呼ばれ、今や日本人の７人に１人が多汗症といわれています。主に緊張や不安からの精神的ストレスが原因となっている事が多いようですが、治療法や保険適用の費用などについて詳しくまとめました。

目次
多汗症になってしまう原因
多汗症の治療方法には何があるの？
多汗症の手術に費用はどれくらい必要？
保険適用で多汗症治療

多汗症になってしまう原因

電車に乗る時や人前に出る時、人並以上に顔や手掌に汗をかいてしまうと、周りの目や脇汗の臭いなどが気になってしまいますよね。では一体なぜ、多汗症になってしまうのでしょうか。以下に多汗症になってしまう原因をまとめてみました。

精神的な要因

多汗症は、発汗恐怖症とも呼ばれています。精神的ストレスから恐怖を感じて発汗する為です。緊張や不安などのストレスを感じると、交感神経が優位になるので汗腺のはたらきを活性化し、多汗症になりやすいといわれています。

代謝異常などの内科系疾患

甲状腺機能亢進症（バセドー病）、急性リウマチ、褐色細胞腫糖尿病などの内科的疾患が原因で多汗症になる事があります。逆に多汗症の場合には、循環器や中枢神経系、代謝異常や内分泌異常などの病気の疑いがあるともいえます。

生活習慣の乱れ

一般的に、食事の際に辛い物や熱い物を食べると発汗するのが普通ですが、これが過剰になった時に味覚性多汗症になる場合があります。肥満の方は多汗症が多い傾向があります。まずは食生活の栄養バランスを見直し、肥満にはならないように普段から心掛ける事が大切です。

また、ニコチンやカフェインなどの嗜好品には、交感神経を刺激する物質がたくさん含まれています。たばこやコーヒーを過剰摂取する事で交感神経が優位となって発汗が促され、多汗症となってしまいます。

ホルモンバランス

特に女性は月経や妊娠・更年期がある為、ホルモンバランスの乱れが原因の多汗症にかかりやすいです。通常ホルモン分泌は脳の視床下部でコントロールされますが、交感神経と密接な関係がある為、ホルモンバランスの崩れは交感神経のバランスも崩してしまいます。それによって多汗症を引き起こしてしまいます。

遺伝

多汗症そのものの症状が子どもに遺伝する訳ではありませんが、多汗症の親の性格を受け継ぎ、同じように子どもも多汗症になってしまいやすい傾向があるようです。

多汗症の治療方法には何があるの？

多汗症の人は増えていますが、ただの汗っかきと自己判断して受診しない方がほとんどです。気になるようでしたら、一度皮膚科でカウンセリングを受けてみると良いでしょう。軽度の症状でしたら、塗り薬や飲み薬などで改善される事もあります。

イオントフォレーシス

多汗症の治療方法として一般的なものがイオントフォレーシスと呼ばれる電気治療です。２週間連続でこの治療を行うとほぼ多汗症を治す事ができます。治ったからといって治療をやめてしまうと症状がまた出てしまう為、１，２週間に一度は継続して治療を行う必要があります。中断できない点がデメリットとなります。

塩化アルミニウム

塗り薬を用い、汗腺にふたをする事で発汗を抑える方法です。最もお手軽で一般的な治療法ですが、これで完治するわけではありません。多汗症の根本的な解決にはなりませんが、一時的に多汗症の症状を抑える事ができるという効果は期待できます。

塩化アルミニウムを塗ると身体が火照ったりなどの症状が出る場合もあるので、医師に事前に副作用を確認しましょう。

漢方

時間をかけて多汗症体質の改善を望むなら、漢方薬の服用もオススメです。漢方薬は、更年期障害の改善や、ストレスによる不眠の治療などにも用いられています。保険適用が利く皮膚科もあり、薬局で市販の漢方薬を購入するよりも、処方箋を出してもらった方が長い目で見てずっとお得です。
・防己黄耆湯（ぼういおうぎとう）……水分代謝を促進する
・女神散（にょしんざん）……自律神経失調症や更年期障害に効果的
・柴胡加竜骨牡蠣湯（さいこかりゅうこつぼれいとう）……不眠障害や精神的不安の改善

多汗症の手術に費用はどれくらい必要？

多汗症がどうしても気になるようなら、最後の手段として、注射や手術を受ける方法もあります。

ボトックス注射の費用（ボツリヌス療法）

メスを用いずに施術できる手軽な治療法です。汗腺を萎縮させるボツリヌストキシンを患部に直接注射します。施術時間は１５分程で終わり、すぐに日常生活に戻る事ができます。
効果は短く３か月程、長くても１年は持たないでしょう。

膝窩多汗症（ワキの多汗）はありがたい事に保険適用が利きます。三割負担で約３万円、自費負担で１０万円前後です。他の部位に関しては保険が利かない為、全額自己負担となり、クリニックによっても異なります。両手のひらで５万円～１５万円の差があります。

ETS（腔鏡下胸部交感神経遮断術）

ETSは手掌多汗症に効果的な手術です。過剰にはたらいて大量発汗させる交感神経を除去する事で停止させ、汗自体を出なくする処置です。そのため、脇や顔の汗にも効果的です。手術自体は短く、３０分程で終わって日帰りができる病院もあります。手のひらから汗が出なくなる代わりに、代償性発汗として顔や頭など他の部位から大量に汗が出るようになる事があります。

ETSの費用は健康保険が適用される為、自己負担は３割の１０万円前後となります。高額医療費変換手続きをとることにより、数か月後に一定額戻ってきますので、加入している保険窓口で詳細をご相談ください。

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